JR苫小牧駅南口の旧商業施設「駅前プラザエガオ」をめぐる民事訴訟の控訴審が8日午前10時から、札幌高裁である。民間の土地、建物の権利集約に動いた市に対し、土地の一部を所有する権利者が賃料相当分の損害賠償を求めた訴訟。2月の一審判決は原告側の全面勝訴となったが、市側は駅前の廃虚化を防ぐ公共的見地からの関与が考慮されなかったなどとし、控訴した。裁判以外での早期決着を望む声も根強いが、焦点だった双方のトップ会談を二審開始前までに実現させるのは難しい情勢だ。
旧エガオビルが立つ土地の使用料をめぐる訴訟の一審では、土地の一部を所有する原告の大東開発の主張を全面的に認め、市に賃料相当分と訴訟費用などの支払いを命じる判決が出された。
土地と建物はもともと民間の所有で、市の関与はなかった。旧運営会社の経営破綻(はたん)に伴い複雑な権利関係からビルの廃虚化が懸念されたため、市が権利集約に踏み込んだ。裁判所が選任した保全管理人の要請もあったという。
市側はこうした事情に加え、原告側が土地を取得した時点で旧運営会社が破綻し、建物の廃虚化が明らかな状況で土地の補償を求めることに疑問を投げ掛けた。一審判決ではこうした主張がいずれも退けられる結果となり、控訴審で改めて裁判所の見解を問う構えだ。
市は訴訟関連費用として、約640万円の予算を計上。「控訴審は一般的に半年程度で結審し、1年以上審議が継続するケースは少ない」(市総合政策部)とされ、2月の市議会定例会では、複数の市議から早期解決に向け原告側と市長のトップ会談実施の提案が相次いだ。これに対し、岩倉博文市長は「チャンスがあったら直接会って話をしたい。あすにでも」と前向きな姿勢を見せたが、今月3日までには実現には至らなかった。
大東開発は「こちらから(和解やトップ会談について)言う必要はないと思っている。二審でもこれまで通りの主張をする。まちづくりに協力したい気持ちはあるが、無償譲渡には納得できない」と語る。
市としては、土地と建物の所有者の寄付によって権利集約を終え、再開発を計画する民間事業者を公募した上、土地、建物を無償譲渡するスタンスを変えていない。双方が歩み寄れるかは、依然として不透明だ。
















