白老町で12日開業予定のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)を今年度の修学旅行先として予約する学校が相次いでいる。施設を管理運営するアイヌ民族文化財団によると、6月30日現在の予約数は小中学校と高校を合わせて576校に上り、予想以上の申し込みの動きとなった。アイヌ民族をテーマにした国内初の国立施設の教育的効果に学校が期待を寄せている。
修学旅行の予約受け付けは昨年12月16日に開始。全国各地の学校から同財団へ申し込みが続いたものの、新型コロナウイルスの影響による開業延期もあって今春、キャンセルが相次いだ。しかし、感染拡大の落ち着きに伴う国の緊急事態宣言解除や、道教育委員会がウポポイを修学旅行先として検討するよう学校側へ通知したこともあって、6月に入り予約の申し込みが再び伸びた。
同財団によると、6月末までに予約を受け付けた学校数は、小学245校(1万7586人)、中学218校(2万1153人)、高校113校(2万551人)。計576校・5万9290人を数えた。
小学校は、石狩管内の学校を中心にほぼ道内。中学校は道内のほか、東京や大阪、四国などにある私立など道外18校からも申し込みがあった。高校は関東13校、中京と関西が各22校、中国・四国40校、九州4校などから予約が入った。
一方、キャンセルは計103校(1万2563人)で、内訳は小学17校(877人)、中学35校(3774人)、高校51校(7912人)だった。
修学旅行は9、10月に集中し、この時期だけで4万人以上の児童生徒がウポポイを訪れる。滞在時間については「博物館見学や伝統舞踊の鑑賞などの体験プログラムを利用し、2時間から2時間半の滞在を予定する学校が多い」と同財団。新型コロナ感染防止策を徹底しながら、アイヌ民族の歴史や文化、共生社会の重要性を子どもたちに伝える社会教育施設の役割を発揮したいという。

















