白老町がアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)の開業に合わせ、12日に運行を始めた「交流促進バス」の利用が低調だ。JR白老駅とウポポイを起点に町内の観光・飲食スポットを巡る2路線で2台のバスを走らせ、観光客の交通利便性を高める施策だが、運休の13日を除く12、14日の乗客数は計21人にとどまった。町は「バスのPRに取り組み、利用を促したい」としている。
路線は、白老駅を起点にした「市街地循環便」(1日20便)と、ウポポイを起点にした「社台・市街地便」(同6便)で、計1日26便を運行。バスは「ポンチョ」(乗車定員36人)と呼ばれる車両で、運賃は大人100円、小中学生50円。ウポポイ定休日の月曜日は運休とした。
「市街地循環便」は、白老駅周辺の中心街を15分間隔で運行。「社台・市街地便」は社台地区の飲食店や白老・石山地区の白老牛ファームレストラン、仙台藩白老元陣屋資料館などを巡るルートで、町はウポポイを生かした地域の観光商業振興策として導入した。
しかし、利用状況は今のところ思わしくない。町経済振興課によると、初日の12日の乗客数は「市街地循環便」13人、「社台・市街地便」3人の計16人。14日は「市街地循環便」1人、「社台・市街地便」4人の計5人にとどまり、乗客のいないバスがまちを駆け巡る光景が続いた。
乗客の少なさは、新型コロナウイルス対策でウポポイが入場者数制限の措置を取っていることや、マイカー利用者の多さ、交流促進バスの周知不足などが背景にあるとみられる。運行はスタートしたばかりだが、今後の利用促進に向けて町経済振興課は「JRを利用し白老駅に降り立つ観光客へ交流促進バスをPRするなど、周知の方策を検討していきたい」と言う。

















