夏季北海道高校野球大会南北海道大会室蘭支部大会(苫小牧市営緑ケ丘球場=とましんスタジアム)に出場する鵡川高校野球部の壮行会が21日、同校で行われた。同校吹奏楽部が主催。新型コロナウイルス感染症の影響から当日球場で応援できない分、心を込めた演奏を披露し、試合を目前に控えた選手たちに力強くエールを届けた。
吹奏楽部はこれまで球場で野球部員らを鼓舞してきたが、コロナ禍対策の観点から代替大会が無観客で開催されるため、球場に駆け付けることはできない。こうした状況を受けて部員が「野球部の応援演奏をしたい」と顧問の青野貴文教諭に打診。「生徒も応援したくてうずうずしている」と部員の思いをくみ、昼休みの時間を利用して実現した。
校舎に囲まれた中庭で行われた壮行会は吹奏楽部の8人と野球部の控えメンバーが応援の音頭を取り、マイクで名前を呼ばれた選手たちが一人ずつバットを持って登場。一人ひとりに応じた応援曲と一般生徒らの拍手が送られる中、選手それぞれが力強いスイングで応えた。
吹奏楽部の鈴木楓香部長(17)=3年=は「生徒たちも集まってくれて良い演奏会ができた。改めてこの学校はすてきだなと思った」と感慨深げに振り返り、「悔しい思いをした選手たちと自分たちも同じ気持ち。目の前の大会にベストを尽くし、世の中の状況に負けないくらいの試合をしてほしい」と思いを託した。
野球部の阿部柊希主将(17)=3年=は「自分たちも応援がない中でやるが、改めて応援してもらって大会に向けて気合が入った。甲子園はないけれど、それにふさわしいチームになるために南北海道大会で優勝したい」と気持ちを新たにしていた。
2回戦スタートの鵡川は24日の第3試合に登場し、室蘭工業と対戦する。

















