むかわ町教育委員会は、お茶の水女子大学(東京都文京区)と減災教育に向けた連携協定を結んだ。28日に町役場に併設する産業会館でウエブ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用したオンライン協定締結式が行われ、長谷川孝雄教育長と同大の室伏きみ子学長が協定書を確認した。
同大にあるサイエンス&エデュケーションセンターでは、東日本大震災や熊本地震の被災地で理科教育の復興支援に取り組んでおり、2016年度から「新たな災害時に途切れない教育システムの開発と検証」プロジェクトを実施。18年9月に発生した胆振東部地震以降、むかわ町内でも今年2月、穂別小学校でプログラミングの出前授業を行ったほか、28日には鵡川中央小学校でも同大が提供した教材を使って理科実験の連携授業を行った。
同大が提供する教材は小学3年生から中学生向けで、ホームセンターなど身近にある材料を使って低額かつ簡単に作ることができるのが特徴。災害で理科室が使えないなど、設備が十分にそろわない状況下でも普段通りの実験ができるよう、それぞれの年代に合わせて実験ができる教材の開発に取り組んでいる。
締結式で、室伏学長は「今後、地域と連携を図っていくことはますます重要になる。今回の締結により、継続的で質の高い教育環境を提供し、将来的な人材の育成にもつなげていければ」とあいさつ。「お互いにやりとりを交わし、希望に応じたプログラムを提供していきたい」と意気込みを述べた。
長谷川教育長は「ノーベル化学賞を受賞した鈴木章特別名誉町民の古里として理科にも力を入れたいと考えており、このたびの協定を結べたことをうれしく思う。制度を活用して小中学校で細かい実験もやっていきたいし、エキスパートのアドバイスをもらうことで、地元の先生方のキャリアアップにもつながるのでは」と期待を寄せた。
同大が同様の協定を結ぶのは、教育委員会、大学を含め、むかわ町教委で13団体目。昨年は安平町教委とも協定を締結している。

















