苫小牧市は29日、2019年度の各会計決算概要を発表した。一般会計は歳入から歳出を差し引き、20年度繰越財源を除いた実質収支額が約15億4600万円の黒字となった。7年連続で、10億円超えの黒字を確保した。特別会計(全3会計)もおおむね順調だったが、企業会計(全4会計)は3会計で単年度資金収支が赤字に。財政指標上の健全性は保たれる見通しだが、コロナ禍で地域経済が冷え込んでおり、財政運営を取り巻く環境は厳しさを増している。
一般会計の内訳は歳入が18年度決算比2・2%増の820億1310万円、歳出は2・2%増の802億1402万円で、差引額は17億9908万円。20年度予算への繰越分の財源として2億5266万円を見込み、実質収支額は7・5%減の15億4642万円となった。
歳入の柱である市税収入は、2・3%増の281億9949万円だった。このうち個人市民税は、2・3%増の80億8880万円。賃上げの動きや共働き世帯の拡大などで納税義務者が増えたのが主な要因という。法人市民税は製造業の好調で、7・3%増の24億5271万円。
一方、歳出は約17億円の増加。消防署日新出張所庁舎の建て替えや幼児教育の無償化の影響が大きかった。
15億円超の黒字分の使途としては、20年度当初予算への財源や国庫支出金等返還金で約5億円分が確定済み。残る10億円は今後の補正予算や21年度当初予算に充てたい考えだ。補正予算については、すでに新型コロナ対策の財源として約4億円を計上した。
全会計で黒字を保った特別会計の総額は歳入で0・9%減の323億6009万円、歳出で0・6%減の320億8774万円となり、実質収支額は25・1%減の2億7235万円だった。
企業会計は、単年度の資金収支で下水道事業会計を除く3会計が赤字。水道事業会計は水道関連のメーター更新が重なったこと、公設地方卸売市場事業会計は市場の使用料変更などが要因。市立病院事業会計は出張医の報酬がかさんだ上、新型コロナの影響で患者数が大きく落ち込んだという。
19年度決算を踏まえた財政指標は速報値ベースで、財政の弾力性を示す経常収支比率が89・4%、資金繰りの危険度を表す実質公債費率は6・7%、将来負担比率は64・3%。いずれも市の目標管理水準内に収まる見通しだ。
29日の記者会見で岩倉博文市長は、19年度決算を「財政の健全性が確保された恥ずかしくない内容」と強調しながら、コロナ禍で「これから3年、場合によっては5年の財政苦難時代に突入する」と危機感を示した。新年度予算編成については「今までのような感覚で数字に向き合えないと覚悟している」と表情を引き締めた。



















