苫小牧市は今月から、自治体の地方創生事業に寄付した企業の税負担を軽くする「企業版ふるさと納税」の受け付けを開始した。寄付は人口減対策を柱とした市の総合戦略の関連事業に使われる。市としては財源調達の新たな選択肢で、企業側にとっても社会貢献、法人関係税の税額控除など双方にメリットがある。市は制度のPRに力を入れ、多くの企業の協力を取り付けたい考えだ。
企業版ふるさと納税は、2016年度に国が創設。国が認定した自治体の地域創生事業に寄付した企業はその額に応じて税額が控除される。国は今年4月、自治体の申請手続きを簡素化し同事業に基づく法人税、法人住民税などの控除割合も最大6割から9割に引き上げた。
こうした流れを受け、市は企業版ふるさと納税の寄付要件である地域再生計画を策定。7月3日に内閣府の認定を受けた。計画の期間は25年3月末まで。寄付の対象は、市が20年度から5カ年の総合戦略に掲げる四つの基本目標の関連事業としている。
四つの基本目標には▽地元企業と学生の”つながり”を強化し、地元雇用の確保と拡大を実現▽子育てしながら仕事を続けられる社会環境の整備▽地元の魅力を強化し、暮らしやすさ発信で移住を促進▽産業競争力を高め、地域ブランド力を向上―を掲げている。
29日の記者会見で、岩倉博文市長は同制度について「(市、企業の)双方にとってメリットがある。国の認定から外されないよう理論構築して進めたい」と強調。市の成長戦略である国際リゾート構想の具現化への活用も視野に入れているとした。
このほか、寄付の要件には▽苫小牧市内に本社がないこと▽寄付の下限は10万円▽寄付企業への経済的な見返りは禁止―といった項目もある。
市は「すでに数社から問い合わせがある」と説明。今後パンフレットを作成するほか、ホームページで紹介したり、企業訪問したりして制度の周知に努める。
















