東胆振の1市4町(苫小牧、白老、厚真、安平、むかわ)を管轄する苫小牧保健所の犬・猫の殺処分件数が近年、大幅に減っている。過去には年200匹超に上った年度もあったが、昨年は猫1匹のみ。受け皿となっている民間保護団体の支援の成果が大きいが、市内で活動している団体は現在150匹超を一時預かりしており、飽和状態に近い。捨てられた後に交通事故で保護される猫もおり、関係者は「最後まで責任を持って飼ってほしい」と訴えている。
同保健所が昨年度、保護した犬猫は89匹。32匹が飼い主の元に返還され、4匹は保護中に死亡、ホームページなどを通じて犬11匹、猫41匹が新しい飼い主などに譲渡され、殺処分は1匹だった。
近年の殺処分件数を見ると、2015年度4匹(犬1匹、猫3匹)、16~18年度ゼロで、この5年間は5匹にとどまる。10年前は年間約270匹が殺処分されており、大幅に減少した格好。この傾向は道内全体でも同じで、04年度の1万1026匹が18年度は443匹となっている。同保健所の担当者は「民間保護団体の尽力も大きい」と分析する。
ただ、民間団体側は苦労が絶えない。苫小牧市内で活動する「ねこのかくれざと」は現在、最大100頭としていた上限を超える約150匹を保護中。子猫の保護依頼が相次いだため、ボランティアスタッフが昼夜を問わず授乳作業に当たっている。藤田藍代表は「飼育崩壊にならないよう努力しているがかなり厳しい」とし、当面は新規受け入れができない状態だ。
また、交通事故で傷ついた捨て猫などの保護も急増。治療しても命を落とすケースがあるといい「飼い主に見放された猫がどのような末路をたどるのか、真剣に考えてほしい」と訴える。
胆振総合振興局は保健所とは別に、年間数件ほど負傷した犬猫の保護と新たな飼い主探しを進める。今年5月中旬には苫小牧市糸井で車にはねられた猫が見つかり、同振興局が協力機関である市内山手町の前田獣医科医院に支援を要請。獣医師らによる懸命な治療で一命を取り留めた。
同院の前田浩人院長は「この猫は障害が残り、今も入院中。懸命に生きようとしており、助かった命を守るため私たちも力を尽くしたい」と新たな飼い主探しに奔走中だ。
殺処分が減る一方、民間団体で厳しい状態が続く現状に保健所の担当者は「頭数を増やさないよう避妊などの対応も大切」と語る。里親募集も課題で「飼い主は最後まで面倒を見る覚悟を持ってほしい」と話している。
保護されている猫に関する問い合わせは前田獣医科医院 電話0144(74)4338、ねこのかくれざと(藤田さん) 携帯電話080(6066)2886。
















