苫小牧拠点に次世代指導 元フィギュアスケート選手・武田奈也さん

苫小牧拠点に次世代指導 元フィギュアスケート選手・武田奈也さん
小学生の指導をする武田コーチ(右)=白鳥王子アイスアリーナ

 全日本ジュニア選手権で優勝するなど、トップレベルの現役時代を経験した元フィギュアスケート選手の武田奈也(たけだ・なな)さん(31)がコーチとして苫小牧を拠点に小学生スケーターを指導中だ。教え子の中から全日本トップクラスの選手を輩出することを目指し、長い競技者生活で培ったノウハウを伝えている。

 武田さんは東京都出身で早稲田大卒業。5歳からフィギュアスケートを始め、2006年の日本橋女学館高校3年時に全日本ジュニア選手権で優勝し、07年のNHK杯国際フィギュアスケート競技大会で3位に入賞した。

 選手引退後は12年から指導者に転向。東京都内を中心に関東圏で児童対象に技術指導を行ってきた。今年5月に苫小牧に活動拠点を移し、白鳥王子アイスアリーナ=苫小牧市若草町=を練習場所としながら市内在住の児童2人にフィギュアスケーティングを教えている。

 重要な要素となるジャンプの練習では、高さや空中での体の軸などを重点的に教えており、”美しいジャンプ”の実現を目指す。武田さんは「加点がもらえるようなジャンプを飛べるようになってもらいたい」と話す。

 スポーツに取り組むことを通じて「人間的な成長を第一に考えている」とも話す武田さん。新世代のスケーターを育てながら「全日本選手権の表彰台に送り込みたいという気持ちもあるが、勝つだけの選手にはなってほしくない。ファンに愛される選手に育てたい」と言う。

 本番の緊張感に耐えられるメンタル面の強化にも力を入れる。「心のコントロールができるようなったときに新しい技を習得できた」という選手時代の経験に裏打ちされた指導理念だ。「誠実な練習態度もメンタル強化や技術向上のために必要」とした上で、「日ごろから感情に左右されずに、練習メニューをこなしていくことが大事だと教えている」と話す。

 現在、武田コーチが指導している児童の一人、今関友梨香(12)は、小学4年から中学1年までのカテゴリーとなる全日本ノービス選手権大会入賞を目指し、練習に励む。今関は「今年で最後のノービス選手権。入賞するために頑張りたい」と意気込んでいる。武田さんも「入賞を狙えるくらいに上達してきた。今年の大会に期待したい」と語った。

 指導者としては9年目を迎えた武田さん。全日本選手権で上位争いができる強豪を育てる夢を持つ。「教える立場として日々勉強。選手と一緒に自分も成長しながら、トップ選手になるサポートができればうれしい」との思いを口にした。

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