海の駅ぷらっとみなと市場(苫小牧市港町2)で、集客や管理を手掛ける新しいストアマネジャーに着任した加藤宏さん(45)は異色の経歴の持ち主だ。海外経験が豊富で英語、広東語、韓国語に加え、函館弁の「4カ国語」を操る。近年は道内外で地域おこし協力隊を経験。「課題を解決しながら、新しいことにも挑戦したい。元協力隊として苫小牧にも還元したい」と意気込む。
函館市出身。高校中退後、東京でのアルバイト中に見た香港映画の俳優に憧れ、18歳で単身香港へ。その後韓国でも舞台俳優として活動し、30歳で東京に戻る。演技指導の講師や脚本家として活躍したが、仕事で訪れた大分県別府市で、商店街のために懸命に働く人々の姿に心が動き、地方創生に興味を抱く。同時に自分の金銭感覚がまひしていたことに気付き、芸能の仕事から距離を置いた。
結婚を機に、妻の出身地、広島県の安芸太田町で募集していた地域おこし協力隊に応募。2年半、加計商店街で商店街振興を担当する。その後、出身地に近い渡島管内木古内町の地域おこし協力隊に転じ、インバウンド(訪日外国人旅行者)を対象にした企画のプロデューサーとして3年間、通訳やプロモーション活動を行った。
任期を終え、同町での起業を目指したが、新型コロナウイルスの感染拡大で外国人旅行者が姿を消し、断念せざるを得なかった。観光に関わる職を探す中で、見つけたのが同市場の募集。「両親の老後を考えると北海道にいたい。苫小牧なら函館にも近い」と、7月2日付でストアマネジャーに採用された。
着任して1カ月。「おいしいから食べてと観光客に薦められるように、市場内の食べ物をいろいろ食した」と笑顔で話しながらも、「電子決済の種類やICT(情報通信技術)がないほか、市場調査もしていない」と課題の多さを指摘する。「体験メニューなど新しいことにも挑戦し、売り上げを上げたい。語学力や地域おこし協力隊での経験も生かしたい」と意気込みを見せた。
















