厚真町議会の臨時会が４日、開かれた。町は、新型コロナウイルスの感染拡大で落ち込む地元経済の早期回復を図るための地域活性化イベントに係る補助金を盛り込んだ２０２０年度一般会計補正予算案を提案したが、議員から見直しを求める声が多かったため、予算案を撤回。この補助金を削除して修正した同予算案を再提出し、可決された。

　町によると、イベントは地域経済の回復と町民の憩いの場を創出しようと、商工会青年部が中心となった実行委員会が主催して秋祭りを企画。９月末に町総合福祉センター前広場で開催する計画を進めている。飲食や物販ブース、ステージショー、抽選会などを展開し、集客として８００人ほどを見込んでおり、町に補助金の要請があった。

　しかし７月下旬以降、近隣の自治体を含め、全国的に再び感染者が急増している状況を踏まえ、町議から「今、開催に踏み切るのはリスクが高い」「この時期が適切なのか」といった意見が相次いだ。

　宮坂尚市朗町長は「地域の人々の熱い思いに応えようと予算を組んだが、間違えたメッセージを発信しかねない」として補正予算案の撤回を申し出た。町は改めてこの補助金部分を除き、町内小中学校における消毒液やサーキュレーターといった感染予防対策の備品購入費を盛った修正予算案を提案。可決して同日、閉会した。追加補正額は１０４２万円で、一般会計の予算総額は１２７億３００８万円となった。