市長の緊急メッセージに困惑の市内飲食店、今後の客足に不安

市長の緊急メッセージに困惑の市内飲食店、今後の客足に不安
感染防止対策に気を配りながら営業する飲食店=天ぷらダイニング天舟

 苫小牧市内の企業や団体で新型コロナウイルスの感染が相次ぎ、岩倉博文市長が2日に多人数での会食などを避けるよう緊急メッセージを出したことについて、市内錦町や大町の飲食店から困惑の声が上がっている。予約のキャンセルが入った店もあり、今後の影響を不安視する。

 天ぷらダイニング天舟(錦町)には、7日に4人で予約をした客からキャンセルの連絡があった。4月下旬~5月中旬に休業し、再開後、週末を中心に客足が戻りつつあった。

 カウンターにビニールシートを設置、団体向けの部屋も定員を8人から4人に減らし、ドアを開けて換気をしている。フェイスシールドを装着しながら調理する船越哲治店主(62)は「感染者が増えて大変なことになるかもしれない。これからどうなるのかという思い」と不安を口にした。

 日本料理店の味処分田上(大町)も玄関の戸を開け、カウンターにビニールシートを設置。団体客は4人以下とし、3密を避けるよう心掛ける。4日は客同士が離れて座り、横浜正宏店主(69)と会話を楽しむ姿が見られた。4月から約2カ月半の休業を余儀なくされたが、再開後、常連客らが徐々に戻っていた。横浜店主は「感染防止のためメッセージは必要だが、夏は道外の人が増えるだろう」と複雑な表情を見せる。

 例年8月上旬から中旬は、とまこまい港まつりの来場者やお盆で帰省した人が飲食店に繰り出し、書き入れ時となっていた。市内の飲食店約80店が加盟する北海道料理飲食業生活衛生同業組合苫小牧中央支部の斉藤芳夫支部長(70)は「ようやくお客さんが戻ってきたところだった。今年は店に行かない人も増えるだろう。会員には対策徹底を指導しているが、みんな大変な思いをしている」と飲食店の苦境を代弁した。

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