苫小牧市勇払の自動車部品製造業、トヨタ自動車北海道(北條康夫社長)は、あらゆるモノがインターネットにつながる「IoT」技術の活用を進めている。昨年12月に始めた駆動系部品ハイブリッドトランスアクスルの新機種製造で、加工、組み付けライン1本すべてをIoT化。稼働情報などを24時間態勢で収集し、可視化、分析することで生産性向上につなげる。
これまでもラインの一部にIoT技術を導入したことはあったが、全体をIoT化したのは初めて。
昨年12月から運用しており、IoTシステムを構築した通信情報業インターネットイニシアティブ(東京)は「モバイル通信機能を持った産業用パソコンを生産ラインに組み込み、無線でデータの収集や蓄積、分析を行う情報基盤を構築した」と説明する。
加工、組み立ての製造機器370台の稼働情報をはじめ、消費電力や二酸化炭素の排出量など、約3万項目のデータを24時間態勢で収集。同社は「モバイルからクラウドまでの通信がすべて閉域網で保護されている安全な環境も特徴。機器を遠隔監視し、リモートアクセスすることで設備状態を可視化して分析できる」と言う。
従来は不具合の兆候が見られてから情報を収集するなど作業に追われていたが、ネットワーク構築で情報の収集や分析などをリアルタイムで行えるように。不具合の兆候も早期に把握できるようになった。
現在はデータの収集、蓄積がメインだが不具合の効率的な処置、部品の交換や寿命予測の強化に期待。設備、ライン単位で電力使用量を把握することで、省エネの取り組みにも生かせるという。
さらに対象設備や取得データの種類を拡張し、不具合の予防診断など最適化につなげる方針。製品の抜き取り検査による測定結果と収集したデータを突き合わせ、より詳細な設備状態の分析に役立てる。
ハイブリッドトランスアクスルの新機種は、トヨタグループの「もっといいクルマづくり」構造改革「トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)」に対応。電動化の新技術も取り入れた新たな主力製品と目されており、生産ラインのさらなる効率化で競争力も高まりそうだ。
















