苫小牧市樽前地区を拠点に活動するアーティスト集団「NPO法人樽前arty+」(アーティ・プラス、門馬羊次代表理事)は施設や店舗などの依頼を受け、窓や壁に絵を”落書き”する活動を展開中だ。新型コロナウイルスで暗くなりがちな気持ちをアート作品で少しでも癒やしてもらいたいと、6月下旬からスタート。制作方法を解説する自作の動画もインターネット上で公開し、「自宅でもアートを楽しんで」と働き掛けている。
同法人が展開している落書きアートは、絵を描きたい場所に型紙を当て、その上から絵の具を塗って描くスタイル。札幌を拠点に活動する美術家、森迫暁夫さんが手掛けた原画を基に、小鳥や水鳥、草花や山などをかわいらしいフォルムで描いた型紙を自作。市内外からの依頼に応じ、同法人所属のアーティストが「出張落書き」を行っている。
6月の取り組み開始からこれまでに、飲食店や施設など5カ所で活動を展開。4日には同法人所属で市内在住の金属彫刻家・藤沢レオさん(45)が、市内柳町の認定こども園幼稚舎あいかの直径約1メートルの円窓に水辺を泳ぐ鳥の親子やタンポポなどを描いた。
新型コロナの影響で、各地の花火大会が中止となったことを残念に思っていた同園の三上順子園長のリクエストを受け、小鳥を花火のように配置した絵も登場。園児たちも窓の反対側から藤沢さんの手元をじっと見詰めたり、型紙の作り方を藤沢さんに質問したりと、身近なアート活動に興味津々の様子だった。
同法人はさらに、新型コロナの感染予防のため自宅で過ごす時間が増えていることを受け、「落書きアート」の型紙や制作手順を収めた動画をホームページ上で公開中。映像を参考に実践した人から「楽しかった」という声が届いているという。
同法人が「落書きアート」に取り組むきっかけとなったのは、今夏の「苫小牧アートフェスティバル2020」中止を知らせるため、6月に市美術博物館で行われた芸術活動。同フェスティバル実行委員会から協力依頼を受けた藤沢さんが、森迫さんら他のアーティストと一緒に、中止を告げるポスターの周りを飾るように同館1階の窓に絵を描いた。
この絵が各所で評判になったことから、藤沢さんは「イベント中止というネガティブな出来事も、アートを通すことで少しだけでもポジティブに変わることが分かった」と手応えを感じ、現在の活動につなげたという。
同法人は依頼があれば今後も出張落書きに応じる。藤沢さんは「少しでもほっとしてもらえるよう、落書きアートを町中に増やしていければ」と話している。
問い合わせはアーティ・プラスのホームページ(https://tarumae.com/)
















