庁内業務にAI活用 職員からの問い合わせ自動回答 苫小牧市が実証実験

庁内業務にAI活用 職員からの問い合わせ自動回答 苫小牧市が実証実験
庁内業務で試験的に導入したAIの自動回答システム

 苫小牧市の庁内業務の一部に導入したAI(人工知能)の実証実験が、一定の成果を上げている。パソコン上で人事や総務に関する職員からの質問を受け、AIが自動回答するシステムで、3月から試験的に実施している。これまで問い合わせに応対していた職員の負担軽減や、業務の効率化につながっている。

 このシステムは、質問したいことを文章で入力するとAIが解析し、事前登録していた質問内容から最も近いものを捜して表示する。質問者がそれに納得できれば、選択して回答を得られる仕組み。入力した文章が人によって違ってもAIが意味を推察し、回答につなぐのが特長だ。

 例えば「休み取りたい」と入力すると、「休暇の申請をするにはどうしたらよいですか」との質問文が表示され、選択すると、申請の手続きを具体的に教えてくれる。市の専用サーバーに組み込み、職員のみが各職場のパソコンから利用できる。

 市によると、3~7月の利用件数は1万7838件に上り、解決率は4割程度。市情報推進課は「解決率も比較的高く、一定の効果を感じる」とし、5カ月間の導入効果を人件費の時給換算で116万円と試算した。質問項目の登録は日々追加し、答えられなかった質問も分析して改善を図るという。毎年、異動時期に各課からの対応に追われる総務部は「単純に昨年と比較するのは難しいが、自動回答の利用件数が多く、職員の負担軽減にはなったと思う」(行政監理室)としている。

 自動回答する対象業務は当初、休暇や出張の申請手続きなど人事、システム部門に限定していたが、8月から給与厚生や契約部門にも拡大し、今後さらに利用の幅を広げたい考え。来年3月まで実証実験を続けた上で、「蓄積した質問データを分析し、業務改善を図りながら、市民向けサービスへの活用の可能性も考えたい」としている。

 庁内業務へのAI活用は、市が策定した今年度から5年間の「行政創革プラン」に盛り込まれた事業。AIを使ったシステム開発を得意とし、今年1月に市と連携協定を結んだベルズシステム(福岡市)と、苫小牧市のシステム開発会社I・TECソリューションズが全面的に協力している。

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