【ニューヨーク時事】グテレス国連事務総長は5日、ロシア軍が包囲するウクライナ南東部マリウポリのアゾフスタル製鉄所に取り残された民間人を避難させる新たな計画が進行中だと明らかにした。ウクライナ情勢をめぐる安保理会合で述べた。
グテレス氏は「この地獄絵図から人々を救出するため、できることを続けなければならない」と強調した。ただ、「成功の可能性を損なう」として、計画の詳細な説明は避けた。
グテレス氏は4月下旬、ロシアとウクライナを訪問し、国連が赤十字国際委員会(ICRC)と共に民間人退避の仲介に当たる合意を取り付けた。これまでに500人近くが同製鉄所を含むマリウポリ地域から救出された。しかし、ウクライナのゼレンスキー大統領は4日、負傷者らがまだ残っているとして、グテレス氏に対し、さらなる退避実現へ協力を要請していた。
会合にはバチェレ国連人権高等弁務官もオンラインで参加し、ロシアによるウクライナ侵攻後、民間人6731人の犠牲を確認したと報告。ロシア軍による恣意(しい)的拘束や強制失踪が疑われる事例180件の記録を取得したとも語った。














