製鉄所からの投降進む 拘束のウクライナ兵尋問へ ロシア当局

製鉄所からの投降進む
拘束のウクライナ兵尋問へ ロシア当局

 【イスタンブール時事】ウクライナ南東部マリウポリで17日、ウクライナの精鋭部隊「アゾフ大隊」などの兵士が、ロシアの手引きにより抵抗拠点としていたアゾフスタル製鉄所を離れる動きが続いた。ウクライナ政府は「退避」と発表しているが、そのままロシア側で拘束される投降が実態だ。

 ロイター通信によると、17日にはウクライナ兵らを乗せたバス少なくとも7台が製鉄所を出発した。これより先、立てこもっていたとされる約600人のうち負傷兵を含む260人以上が東部ドンバス地方の親ロシア派支配地域に身柄を移されている。

 ロシア当局は17日、ドンバス地方での「ウクライナ政権の民間人に対する刑事事件」に関連し、投降した兵士らを尋問する方針だと発表した。ロシア側はかねて、ドンバス地方でウクライナが「虐殺行為に手を染めていた」と主張している。

 ウクライナ政府はロシア側の管理下に置かれた兵士らを、拘束中のロシア兵との「捕虜交換」で取り戻そうとしているが、スムーズに実現するかは不透明だ。

 一方、ウクライナのメディアによると、北部チェルニヒウ州の村が17日、ロシア軍の空爆に遭い、少なくとも8人が死亡、12人が負傷した。上空からミサイル4発が発射され、うち2発が建物に命中した。村の付近にはウクライナ軍の訓練施設があるという。

 ロシア軍が完全制圧を目指すドンバス地方やウクライナ軍が反攻を強める北東部ハリコフ州でも砲撃がやまず、死傷者が出たと報じられている。

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