理化学研究所は30日、富士通と共同開発したスーパーコンピューター「富岳」(神戸市)が、スパコンの計算速度を競う「HPCG」など二つの世界ランキングで、2020年6月から5期連続となる1位を獲得したと発表した。「TOP500」など2部門は「フロンティア」(米国)に1位を譲り、2位だった。
ランキングは同日、ドイツで開催されている高性能計算技術に関する国際会議で公表された。
TOP500は、1993年以降スパコンの演算能力を評価する指標とされているが、HPCGは産業利用などより実用に近い演算能力を示す。
理研の松岡聡・計算科学研究センター長は「進化と競争が激烈な分野で、初登場から2年経過しても世界最高性能と幅広い汎用(はんよう)性を両立させた屈指のスパコンであり続けている」とコメントした。
富岳は2019年に運用を終えたスパコン「京」の後継機。TOP500のランキングでは、1秒間に44・2京(京は1兆の1万倍)回の計算速度を誇る。1位のフロンティアは110・2京回だった。
富岳は昨年3月から本格稼働し、新型コロナウイルスの治療薬探索や飛沫(ひまつ)のシミュレーション、ゲリラ豪雨予報などの成果を挙げている。














