安倍晋三元首相が奈良市での街頭演説中に銃撃され死亡した事件で、無職山上徹也容疑者(41)=殺人容疑で送検=が「銃の材料や製法はインターネットを通じて入手した」との趣旨の供述をしていることが12日、捜査関係者への取材で分かった。
山上容疑者の自宅への捜索で、火薬のような粉末が見つかったことも判明した。奈良県警は押収した容疑者のパソコンのデータなどを解析し、供述の裏付けや入手経路の解明を進めている。
県警は事件があった8日、奈良市にある山上容疑者宅を捜索し、金属パイプやコード類を組み合わせて作った銃のようなもの数丁を押収した。
捜査関係者によると、自宅からは火薬のような粉末も押収され、山上容疑者はこうした材料について「ネットで購入した」と供述した。銃撃に使われた弾丸の製作や火薬の調合も自分でしていたとみられ、同容疑者は銃の製造方法も含め「ネット上の動画を見て学んだ」と説明しているという。
県警は、同容疑者のパソコンデータを解析し、閲覧や購入履歴を精査。粉末の成分鑑定や押収物の分析なども進め、供述の裏付けを急いでいる。
山上容疑者はこれまでの調べで、母親が信仰する宗教団体に恨みがあり、「安倍元首相がこの団体とつながりがあると思ってやった」と供述した。母親は世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者で、県警は同団体に関するパソコンの検索履歴などについても解析を進めている。














