現場や地元、献花絶えず 発生時刻に黙とうも―安倍氏銃撃から1週間

現場や地元、献花絶えず
発生時刻に黙とうも―安倍氏銃撃から1週間

 安倍晋三元首相が街頭演説中に凶弾に倒れてから15日で1週間となった。奈良市の現場や地元・山口県下関市、母校の成蹊学園がある東京都武蔵野市などでは、この日も献花台に花を手向ける人が絶えなかった。

 現場となった奈良市の近鉄大和西大寺駅前には花束を手にした人たちで朝から長い列ができた。発生時刻の午前時半ごろには時計に目をやり、黙とうする人の姿もあった。

 2回目の献花に来たという同市の主婦(35)は「1週間たっても悲しい気持ちは癒えない」と心境を吐露。今秋に国葬が行われることに「皆で送ってあげられたらいいと思う」と賛意を示した。

 京都市から来た男性(64)は「いまだに整理がつかないし、寂しいけど安らかに眠っていただきたい」と涙ながらに語り、「これからの政治がどうなってしまうのか心配」と憂えた。

 安倍氏の地元、山口県下関市の事務所に設けられた献花台にも地元の支援者らが次々と姿を見せた。自営業福島洋太郎さん(44)は「今も言葉にならない。自分の店にご夫婦で声を掛けてくれ、とても気さくな方だった」と悲痛な表情。一緒に訪れた会社員畑部麻衣子さん(49)は「事件の衝撃と喪失感でいっぱいの1週間だった」と振り返った。会社員五十嵐誠さん(45)は「日本の安全保障や経済発展に尽くしただけでなく、地元を愛し、愛されたリーダーだった」と悼んだ。

 安倍氏が小学校から大学まで通った成蹊学園。献花台には学生や市民らが相次いで手を合わせた。

 安倍氏と同じアーチェリー部に所属する成蹊大2年の男子学生(20)は「会ったことはないが大先輩。部活の未来を築き上げていきたいという思いで花を手向けた」と話した。

 山梨県上野原市の会社員尾崎彰彦さん(58)は「本当に悔しい。安倍さんの魂を今後の人生で生かしたい」と力を込めた。

 安倍氏の同級生で、同窓会組織「成蹊会」副会長の武藤正司さん(67)は取材に「選挙が終わったらゆっくり会おうと話していた。心にぽっかり穴があいた気持ち」と残念がった。

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