原子炉から100㍍に着弾 ウクライナ原発、放射線上昇なし―IAEA

原子炉から100㍍に着弾
ウクライナ原発、放射線上昇なし―IAEA
 ウクライナ南東部にあるザポロジエ原発の衛星写真(米マクサー・テクノロジーズ社が19日に公開)(AFP時事)

 【ベルリン時事】国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長は28日、ロシア軍が占拠するウクライナ南東部ザポロジエ原発に対する過去数日間の砲撃で、原子炉建屋から約100メートル離れた「特別棟」2棟の付近などに着弾があったと明らかにした。ウクライナ側からの情報という。

 ウクライナ側の説明では、すべての安全システムは稼働しており、放射線量の上昇や水素漏出の兆候もないという。  グロッシ氏の声明によると、砲撃があったのは25~27日。特別棟のほか、陸橋にも着弾した。特別棟には水の処理施設や機器の修理施設、廃棄物の管理施設などが入っている。一部の水道管も損傷したが、修理された。

 グロッシ氏は「核災害のリスクが再度浮き彫りになった」として、今後数日のうちにザポロジエ原発を訪問し被害の調査を行いたいとの方針を改めて示した。

 砲撃をめぐっては、ウクライナとロシアの双方が、相手側によるものと主張している。  ザポロジエ原発は、25日に外部電源からの電力供給が一時停止し、26日に復旧した。近隣の火力発電所で火災が起きたことが原因とされる。外部電源は冷却系に使用されており、今後同様の事態が起きて予備電源も使用不能となれば、炉心溶融(メルトダウン)などの大惨事にもつながりかねないと懸念が高まっている。

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