習政権3期目が発足―中国 最高指導部、側近で独占

習政権3期目が発足―中国
最高指導部、側近で独占
 中国共産党の習近平総書記(写真左)ら最高指導部メンバー。写真右は上段左から王滬寧氏、蔡奇氏、趙楽際氏、下段左から李希氏、李強氏、丁薛祥氏(AFP時事)

 【北京時事】中国共産党の第20期中央委員会第1回総会(1中総会)が23日、北京で開かれ、習近平総書記(国家主席)の3期目指導部が発足した。22日に閉幕した党大会では、習氏の権威を高める文言を明記した党規約改正案を採択。「台湾統一」に強い意欲を見せる習氏は最高指導部を側近で固め、盤石の態勢で3期目を始動させた形だ。

 習氏は1中総会後、北京の人民大会堂で内外の記者団を前に「中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に努めなければならない」と演説。「世界の発展に中国が必要だ」と強調した。

 1中総会では、22日に選出された約200人の中央委員の中から、最高指導部を構成する7人の政治局常務委員と24人の政治局員を選んだ。習氏を除く6人の最高指導部メンバーには、再任となる趙楽際・前中央規律検査委員会書記と王滬寧・前中央書記局常務書記に加え、李強・上海市党委書記、蔡奇・北京市党委書記、丁薛祥・中央弁公庁主任、李希・広東省党委書記が新たに昇格した。再任の2人は前指導部で習氏を支え、新任の4人はいずれも習氏の地方勤務時代からの忠実な側近で「習派」一色の顔触れとなった。

 前指導部の序列と役職に準じて考えると、序列2位の李強氏が来年春に首相、3位の趙氏が全国人民代表大会(全人代)常務委員長、4位の王氏が全国政治協商会議(政協)主席、6位の丁氏が筆頭副首相にそれぞれ就任するとみられるが、入れ替わる可能性もある。5位の蔡氏は中央書記局常務書記、7位の李希氏は「反腐敗闘争」を統括する中央規律検査委トップの書記に決まった。

 今回、習氏と距離があるとされる胡春華副首相は首相候補に名前が挙がっていたが、常務委入りせず、最高指導部に次ぐ政治局員からも外れ、降格となった。政治局員には、王毅国務委員兼外相が昇格した。

 一方、軍の最高指導機関である中央軍事委の人事も決まり、制服組トップの副主席には張又俠、何衛東両氏が就いた。張氏は習氏と親子2代にわたるつながりがあるとされ、72歳と高齢ながらも再任された。台湾方面を担当する東部戦区の司令官を務めた何氏も習氏に近いとされる。台湾統一をにらみ、軍中枢を自身に近い人物で固めたもようだ。

 習氏は2027年以降の4期目も視野に入れているとみられる。「ポスト習」となる50歳代前半の若手は最高指導部入りせず、後継候補は現れなかった。

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