【ワシントン時事】米科学誌「ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ」は24日、世界の終わりまでの猶予時間を象徴的に表す「終末時計」の針について、人類滅亡を示す午前0時まで90秒に設定した。ロシアによる核兵器使用の示唆を踏まえ、史上最も危険な状態だと分析し、現在の世界情勢の深刻さを訴えた。
昨年は「残り100秒」だったため10秒進んだことになる。同誌のブロンソン最高経営責任者(CEO)は声明を出し「われわれは前例のない危険な時代に生きている」と警告した。
ロシアのウクライナ侵攻をきっかけとした核戦争の懸念に加え、気候変動や新型コロナウイルス、国家による偽情報などもリスク要因とされた。潘基文・前国連事務総長も声明で「われわれ全員のために、指導者たちが行動することが極めて重要だ」と呼び掛けた。
終末時計は1947年に初めて発表された。2020年からは史上最短となる「残り100秒」に設定されていた。ノーベル賞受賞者を含む複数の科学者らの意見を踏まえて決められている。














