役場庁舎建て替え協議へ 利便性高い複合施設も検討 白老

役場庁舎建て替え協議へ 利便性高い複合施設も検討 白老
老朽化が著しく進む白老町役場庁舎。建て替えに向けて町が本格検討へ

 白老町は、懸案の役場庁舎建て替えに向けた検討作業に入る。庁舎の古い建物は建設から65年たち、著しく老朽化している上、耐震性にも問題を抱えている。町は今後、庁内組織の庁舎建設検討委員会(委員長・古俣博之副町長)を断続的に開きながら建設時期や場所、施設の機能、財源などについて協議し、建て替えへの道筋を付ける。

 大町にある現庁舎は鉄筋コンクリート造り2階建て、延べ床面積2033平方メートル。1955年に建設後、高度成長時代の職員数増加に伴い74年に増築した。古い建物で築後65年、増築部分も46年たち、かなり老朽化が進んでいる。耐震性も弱く、大きな地震が発生した場合、深刻な被害に遭う恐れもある。庁舎は災害対応の本部機能を担うが、地震時の被害で機能を喪失してしまう可能性も否定できない状況だ。

 このため、町は懸案となっていた庁舎建て替えについて今後、本格的に検討を進める方針。総務課や企画課、建設課、財政課、町民課など関係課で構成する庁舎建設検討委を近く開き、これからの協議の方向性を確認し合う。検討委は断続的に開催し、新庁舎の機能や建設場所、時期、財源などに関する素案をたたき台に議論し、基本構想や基本計画、設計、着工へとつなげる。

 建設場所に関しては、現庁舎周辺の町中心部を軸に検討し、現地での建て替えか、他に用地の確保が可能かどうかを協議。機能については、生涯学習課や学校教育課、健康福祉課など現在本庁舎から離れて分散している部署を新庁舎に集約するなど、業務の効率化も踏まえて方向性を考える。人口減少時代の公共施設の適正配置も意識し、図書館など社会教育施設を組み込み、利便性の高い複合施設とすることも検討する。

 新庁舎建設には数十億円の費用が想定されるため、町財政の負担軽減に向け、民間に施設整備や維持管理を委ねるPFIの活用など幅広く検討。また、内閣府が4月に公表した北海道から東北北部の太平洋沖を震源とする巨大地震想定(日本海溝・千島海溝地震)で、白老町役場が最大2メートルの浸水深に見舞われることが示されたため、津波に備えた施設の構造などについても熟考を重ねる。

 建設時期は未定だが、地震や大雨など国内で自然災害の発生頻度が増している中で、古俣副町長は「防災、災害時対応の拠点機能も担う新庁舎の方向性を見いだしていきたい」としている。

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