胆振東部地震から間もなく2年を迎える中、苫小牧東部地域で用地を造成、分譲する第三セクターの苫東(伊藤邦宏社長)の災害復旧事業が大詰めを迎えている。年内に苫東地域内の下水道設備、苫小牧港・東港苫東埠頭(ふとう)の工事を終える予定。3月までに修繕した上水道設備を含め、総額約10億円を投じて完全復旧を目指す。
2018年9月の胆振東部地震で、臨海部(苫小牧市静川・弁天、厚真町)の上下水道と苫東埠頭の設備が被害を受けた。地下に埋設する上水道は10カ所で漏水し、下水道には破損やたわみが見つかった。苫東埠頭は岸壁使用自体に支障は出なかったが、一部で液状化や段差が発生。約2万550平方メートルで修繕が必要となった。
水道は地震発生から約1カ月間、臨海部で厚真からの供給が止まり、社員がタンクで水を各企業に運んだ。ポンプ場の復旧後も水道管の漏水が判明し、漏水場所の特定や修繕に時間を要した。地中に埋設する水道管は約20キロに及ぶ中、音を探知するため主に静かな夜間、社員らが苫東内を地道に調査した。
3月に水道は完全復旧したが、同社の小馬谷勤総務部長は「見えない所で漏れているので時間がかかった。直してもまた別の所で漏水が見つかる繰り返しだった」と振り返る。漏水量はわずかで立地企業に水を供給できたため「企業に水を使わない時間帯をヒアリング調査し、夜間に工事するようにした」と言う。
下水道は未使用区間で、年内に復旧を終える予定。汚水管約360メートルの修繕工事で、同社によると、道内で初めて「改築推進工法」を採用している。既設管の内側にドリルを通して破砕し、新設管をそのまま埋設する手法。地盤を直接掘削する必要がないため、短期間で工事量も少なくて済むという。
苫東埠頭は地震直後に応急復旧し18年9月中には石炭船も着岸していたが、今年度で本格復旧を目指す。建設業の人出や資材の不足が影響して本格復旧工事が遅れていたが1号、3号岸壁の修繕は完了。現在は2号岸壁で石炭船が入港しない日を選び、舗装を剝がして玉石や砂利を入れ、固め直すなどの作業をしている。
同社の佐野成信専務は「上下水道や埠頭の被害そのもので、立地企業に迷惑は掛からなかったと思う」とした上で、「社会インフラの一翼を担う立場でしっかりと完全復旧させることが大事。立地企業の理解、協力を得ながら年内にも終えられたら」と話している。
















