「慎重な判断」要請で一致 隣接3町村長と鈴木知事会談 文献調査の寿都町へ

「慎重な判断」要請で一致 隣接3町村長と鈴木知事会談 文献調査の寿都町へ
鈴木知事(左)と会談した鎌田・黒松内町長、藤沢・島牧村長、金・蘭越町長(右手前から)=20日午後、道庁

 原子力発電所の使用済み核燃料から出る高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場をめぐり、後志管内寿都町の片岡春雄町長が国の候補地選定プロセスの文献調査に応募を検討することを表明したことを受け、鈴木直道知事と寿都町に隣接する自治体(島牧村、黒松内町、蘭越町)首長との会談が20日、道庁で行われた。隣接する3町村長は(1)必要な情報を提供する(2)近隣自治体の意見尊重(3)最終判断は熟慮して再考を―の3点を片岡町長に求める姿勢を表明し、鈴木知事にも協力を求めた。知事は「皆さんと同じ思いだ」と述べ、4者で「慎重な判断」を寿都町側に求めていくことで一致した。

 島牧村の藤沢克村長、黒松内町の鎌田満町長、蘭越町の金秀行町長の3人が道庁を訪問。13日に片岡町長が表明以降の情報収集と、鈴木知事に周辺自治体の思いを伝えるため来庁したという。

 藤沢村長は「隣町のことだが、このまま静観していいのか。何らかの行動を起こすべきだと思った」と切り出し、疑問視する3点について「片岡町長に申し入れる」と強調。知事に対しても「法的に意見発信できるのは知事であり、近隣自治体との調整を」と要望。鎌田町長は同町に活断層が存在し、直下型地震を想定した訓練が繰り返されていることを説明し、「まさか隣町でこうした施設に手が挙がるとは非常に驚いている」と語り、知事には「道条例(特定放射性廃棄物に関する条例)に基づき、積極的に対応を」と求めた。金町長は先人から受け継がれたブランド米「蘭越米」と、ニセコエリアとして通年観光に力を注いでいることを説明し、「風評被害」の懸念も示した。

 知事は「法律上の課題だが、隣接する自治体が意見を述べることがプロセス上にない。地域の意見に耳を傾けてほしいと私も国に申し上げている」と述べた。核ごみ最終処分場に関しては「無害化までに10万年という長い期間がかかる」と強調し、寿都町が9月に文献調査応募の結論を出そうとする姿勢には「極めて重要な課題である中、1カ月ぐらいで判断しようとしている」と疑問視。法的には「知事として意見表明できるのは、文献調査の段階では機会がない。(次の段階の)概要調査に移行するかどうかというところで、意見を言うことができる」と説明。「極めて限られた時間での行動になるが、(周辺自治体と)緊密に連携し、この問題に向き合っていきたい」との姿勢を示した。

 会談後、記者団の取材に応じた3町村長は文献調査応募への賛否を問われ、鎌田町長は「考え直してほしい」、金町長は「9月中に決めるのは再考を」、藤沢村長は「情報が少な過ぎて明言できない」とそれぞれ見解を述べた。

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