苫小牧市教育委員会が60歳以上の市民を対象に、市内5カ所の公共施設で展開している市長生大学。高齢者らが通って文学や健康、歴史などの教養講座と学校行事などに取り組む生涯学習の場だ。今年は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で講座数の削減や行事の中止が相次ぎ、例年に比べて規模を縮小しての実施となっているが、”学生”たちは意欲的に学習に励んでいる。
長生大は生涯学習を通じ、高齢者の社会参加促進を目指す事業。市文化交流センター(アイビープラザ)を管理するNPO法人ワーカーズコープが運営し、同センターに事務局を置く。4年制の「本科」と、本科卒業後にさらに学びを深める4年制の「研修科」があり、本科は同センターやコミセンなど5会場で、研修科は同センター1カ所で毎月1、2回の講座を開いている。
例年4月に入学式と始業式を実施していたが、今年は新型コロナの影響で入学式が中止となり、開講時期も7月にずれ込んだ。このため、例年は年間約20こまの講座を約半数の10こま程度に削減。大学祭や校外の施設を訪れる研修などの行事も中止した。
そのような状況の中でも、在籍する高齢者らは熱心に学びを続けている。19日には研修科の教養講座が同センターで開かれ、在籍する100人中約70人が出席。講師は自身も生涯学習に打ち込む、リーひとみさん(69)=錦岡=が務め、日本の歴史と民謡をテーマに講話した。
リーさんは平家の姫と源氏の武将との悲恋物語を語った後、この物語を基に生まれたとされる宮崎県椎葉村の民謡「ひえつき節」を披露。命を賭して将軍に悪政を訴え出た江戸時代前期の義民、佐倉惣五郎の伝説も取り上げ、受講する高齢者らは興味深そうに何度もうなずいたり、メモを取ったりしながら講話に耳を傾けた。
長生大アドバイザーの濱口明雄さんは「例年にないスケジュールの中でも、学生たちの学ぶ意欲は衰えていない。サークルも一部を除いて再開しており、ようやくいつもの長生大の雰囲気が戻りつつある」と語った。
入学に関する問い合わせは随時受け付けている。市文化交流センター 電話0144(33)8131。
















