健康づくり 身近で支援 苫小牧の川田さん 白老でコミュニティナース活動

健康づくり 身近で支援  苫小牧の川田さん 白老でコミュニティナース活動
白老町でコミュニティナースの活動を始めた川田さん

 苫小牧市の川田幸香さん(36)が看護師のキャリアを生かし、白老町でコミュニティナースの活動を始めた。地域のさまざまな場所へ出向き、ボランティアで住民の健康相談に応じるなどしている。政策的にコミュニティナースを導入する自治体も出始めており、川田さんは「高齢化率の高い白老で町民の健康づくりに貢献したい」と意気込む。

 コミュニティナースは行政や事業所と連携し、スーパーなどの店舗や公共施設、イベント会場など地域住民が集まる場所へ出向いて、血圧・脈拍測定や認知症チェック、健康相談への対応といった活動に当たる医療人材。自治体の地域おこし協力隊員、訪問看護事業所や福祉関連のNPO法人職員、ボランティアなどさまざまな形態で活動し、全国で現在100人程度のコミュニティナースが活躍している。自治体の保健師や事業所の訪問看護師らがカバーし切れない領域へ機動的に入り込み、必要に応じて医療福祉の専門機関との橋渡し役も担っており、島根県雲南市など健康づくり施策として積極的に導入する自治体もある。

 川田さんは訪問看護の仕事に携わる中でコミュニティナースに興味を抱き、縁のある白老でボランティア活動を開始。「町のよりそいナースらっこ」の名で、これまでに白老町内のカフェや洋菓子店などのイベントに出向き、集まった人々の健康相談に応じてきた。9月にも町内のイベントに参加し、認知症チェックなど健康測定、正しい手の洗い方指導などに当たる予定だ。

 コミュニティナースは、民間の立場として報酬を得る仕組みが社会的に整っていないことから、国内でまだまだ少なく、道内にもほとんどいない。しかし、川田さんは「高齢化が進む社会の中で、活動領域を地域全体とした自由度の高い健康づくり活動は今後、重要視されていくのではないか」と話す。

 町内で5月に発足したNPO法人ウテカンパ(田村直美理事長)が開設を計画している障害者就労支援施設とも連携し、健康と福祉のまちづくりに挑みたいという。今月中旬には、高齢者や障害者に優しいバリアフリーのまちについて考えるイベントを町内で開いた。

 白老町は人口の半数近くが65歳以上という高齢化率の高いまち。川田さんは「高齢者が元気になれば、まちも元気になるはず。白老の人たちとの結び付きを深め、病気や介護予防への意識や行動を促したい」とし、活動に携わる仲間も増やしたいという。

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