2018年9月に発生した胆振東部地震から間もなく2年を迎え、大きな被害を受けた厚真、安平、むかわの被災3町では森林の復旧、道路や河川、橋などの公共土木工事が進んでいる。順調に行けば、北海道が行う工事は森林関係を除いて年度内におおむね完了する見通し。少しずつ、かつ着実に復興の歩みが進んでいる。
胆振総合振興局がまとめた土砂崩れによる林地崩壊や治山施設の被害は、3町合わせて564件。面積にして約4300ヘクタール、金額では暫定的だが511億円にも及ぶという。道は現在、森林の復旧事業として3町合わせて123件の工事に着手しており、7月末時点で83件を完了した。
被害の中心となる厚真町内の中でも、山腹崩壊の被害が大きかった東和地区の土砂崩れ現場は発災当初、不安定な土砂が残っていたことから、余震、降雨による再崩落、流出の危険性が高いとみて、18年11月に堆積土砂や倒木の除去などに係る緊急工事を先行して実施。のり面をコンクリートで補強したほか、ヨモギなどを植生して緑化を図った。1年前はまだ山肌がはっきりとしていたが、現在は青々とした植物がのり面を覆っている。
また富里地区の富里浄水場に覆いかぶさった幅約700メートルにわたる裏山の斜面の山腹崩壊現場では、コンクリートの吹き付けや植生工などが進み、すでに6工区のうち3工区を終えた。残り3工区についても今月から来年2月までには完了する予定。道の担当者は「不安定な土砂はすべて撤去し、同様の地震が起きても前回ほどの被害にはならないだろう」と話した。
農地も高丘地区の一部を除いてほぼ復旧し、今後は町や関係機関と連携して土壌、生育の調査を行っていく。
道路や河川、橋梁(きょうりょう)など公共土木工事においても7月末時点で164カ所で着手し、このうち145カ所(完成率88・4%)の工事を終えた。残りの19カ所についても来年3月までに終了する見通しだという。




















