苫小牧市の自然環境保全地区に指定され、今後の在り方が検討されている市内拓勇西町の沼ノ端拓勇樹林(約3.2ヘクタール)に、約250種類の動植物が生息していることが市から委託を受けた専門業者の調査で分かった。約25年前との比較で90種類ほど多く、同社担当者も「100年以上も手を付けられておらず、地域の特色を残した貴重な樹林」と話す。調査は来年1月まで行われ、その結果を踏まえて今後の在り方を検討するが、市は住民対象の観察会なども行いながら協議を進める方針だ。
拓勇樹林は、1995年に市が自然環境保全地区に指定。当時は住宅用地が広がっていたが、住宅建設が進み、現在は戸建て住宅に囲まれるように森が広がる。近年は不法投棄への懸念や夜間の安全性などの観点から、整備を求める地域住民の要望が出ており、市が今年度、昆虫や鳥類、植物の生息状況など環境調査を進めている。
市の委託を受けた環境調査会社が今月上旬までに3回の調査を実施。アブラムシを補食するゴイシシジミや、絶滅の恐れがある環境省のレッドリストに記された植物ベニバナヒョウタンボク、推定樹齢100~150年のミズナラやヤチダモ、野生のハスカップが見つかった。鳥類はコムクドリやヒヨドリなど複数が生息していたという。
また、地下水位の違いから樹木も多様性があり、幼虫がその葉を食べるチョウ類も種類が豊富だった。
調査会社チーフコンサルタントの田口敦史さん(43)によると、約3ヘクタールの面積でこれほどの植物や昆虫の多様性が確認できるのは珍しく、隣接する拓勇公園で約120種ある植物の4~5割が外来種だったのに対し、同樹林内は約250種の8割が在来種という。
市は多様な自然があることを踏まえ、地域住民向けの観察会なども行いながら、来年1月までの調査結果を基に樹林の在り方をまとめる方針としている。
















