いすゞ独身寮再建 胆振東部地震から2年 むかわ 試験場関連施設全面復旧

むかわ町大成に再建したいすゞ自動車の施設「むかわハウス」

 2018年9月に発生した胆振東部地震で建物が損壊し、再建を進めていた、いすゞ自動車の独身寮「むかわハウス」(愛称NEXUS=ネクサス)が同町大成1に完成した。一部避難所の機能を併せ持つほか、非常用電源なども備え、災害時には住民にも開放する。同社によると、自動車専用テストコースを含む震災で被害を受けた施設の復旧はこれで全て完了した。

 2棟あった旧独身寮と隣接する出張者用の宿泊施設は、2年前の震災でそれぞれ大規模半壊、全壊の判定を受けて解体。この間、旧独身寮で生活していた社員は苫小牧や日高方面から通勤していた。

 同社によると、新しい建物は昨年7月に着工し、今年7月末に竣工(しゅんこう)した。2棟あった旧施設を一体化した鉄筋コンクリート造り3階建てで、延べ床面積は約4000平方メートル。1階部分は食堂やテラス、ランドリー、トレーニングルーム、会議室など共用施設が中心。2、3階は計69部屋あり、女性専用の部屋も用意した。各部屋にキッチン、洗面所、トイレ、シャワーを配備。2階を出張者向けとし、3階を独身寮とする。

 1階部分は最大70人を収容できる避難所としても機能させる。いすゞ北海道試験場の西択男社長は「万が一(胆振東部地震と)同じような災害が起きた時に、むかわ町のお役に立てるように避難所機能を持つ設計を進めてきた」と説明。「いすゞグループとむかわ町の絆を強め、復興のシンボルとなれるような建物になれば」と話している。

 新しい独身寮には9月上旬から中旬にかけて、寮生活を希望する社員21人が入寮する予定だ。

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