厚真町在住者を中心に結成し、胆振東部地震で倒れた木の丸太や倒壊家屋の解体材を再利用して製品化を目指す「ATSUMA96%PROJECT」のキックオフイベントが6日、行われた。インターネット上のビデオ会議システム「Zoom(ズーム)」を活用し、全国からスタッフを含む約100人が参加。町に森とデザインを軸にしたクリエイティブ・プロジェクトが始動した。
広大な森林が広がる同町は、地球温暖化防止や自然環境の保全など、森林の多目的機能の確保に向けた取り組みを推進している。プロジェクトは「森と生きていくために、デザインの観点からできること、復興とは」を軸に活動を進める。プロジェクトチームの立ち上げは今年1月。プレイベントで「どのようなメッセージを世の中に伝えたいか」など、コンセプトの協議を続けてきた。イベントの企画・運営などを行うドットボタンカンパニー(本社東京、中屋祐輔社長)の協力も受け、今年度中に試作モデルを作り、次年度から製作、製品化を目指していく。
この日はプロジェクトの中心人物である産業経済課兼まちづくり推進課主幹の宮久史さん(40)が、地震発生当時の町内の様子や現状、林業について解説。事前に参加者へ郵送していた解体材を再利用したまな板「アツマナイタ―ミニ」の開封式、町内林業者のトークセッションなども行われた。宮さんは「森林には多様な価値があり、さまざまな物を生み出せると考えている」とプロジェクトの今後を見据えた。

















