胆振東部地震を教訓に、苫小牧市内の港湾関連企業・団体では、災害時の優先事項や人員配置などを定める事業継続計画(BCP)の見直しが進んでいる。
倉庫・港運物流業の苫小牧埠頭(入船町)は災害時も出荷機能を維持するため、今年2月までに真砂町のオイルターミナルなどに非常用発電機10台を導入した。石狩市の石狩オイルターミナルにも配置し、停電時でもガソリンやジェット燃料などを出荷できるようにした。同社は東日本大震災後の2012年にBCPを策定。改定を重ね、連絡体制や情報共有を強化してきた。胆振東部地震後の19年には、発電機や投光器の優先提供を受ける契約をリース会社と締結し、社員用携帯電話の契約先も複数に増やした。
苫小牧港開発(入船町)は今年4月、13年に策定したBCPの見直しを行い、災害ごとに役員や従業員が集まる基準を3段階に分け、初動から復旧までの流れを明確化したタイムラインを導入した。体験型訓練も重視し、2月には樽前山の中規模噴火を想定したBCP訓練を実施。フェリー4社や行政機関など19企業・団体から100人以上が参加し、情報伝達や市民への周知、滞留者への対応などを確認した。
胆振東部地震では、港湾企業や行政機関など88企業・団体で構成する苫小牧港港湾BCP協議会が15年3月策定のBCPを初めて実行した。会員に向け一斉に被災状況を伝達したが、各企業、団体で必要な情報が異なる課題も残った。協議会は今年度、必要な情報を段階的に伝えるよう見直しを進める方針。事務局の苫小牧港管理組合港湾政策室は「胆振東部地震では岸壁が使用できるか判断が難しい面もあった。今後、BCPで岸壁が使用できる目安も設定したい」と説明する。
一方、策定を検討する業界団体からは、発電機の購入など実効性あるBCPには多額の費用が掛かる懸念も示されている。セミナー開催などで策定を後押ししてきた苫小牧商工会議所は「BCPは業種や企業の大きさによって違いがある。専門家の派遣制度などを紹介し、支援を続けたい」としている。
















