苫小牧市日新町の市営住宅や道営住宅、民間集合住宅、公共施設の暖房、給湯を担う苫小牧熱サービス(福江弘美社長)が2023年度に熱供給事業を終える方針だ。当初は市住の建て替え事業に合わせ、28年度まで市が補償費を支出しながら熱供給を続ける計画だったが、経営状況の悪化で5年前倒して撤退。補償費は3億円削減される見通しだが、市有施設は個別暖房・給湯の早期切り替えを余儀なくされ、概算で5億円の投資が必要になる。
9日の市議会建設委員会(谷川芳一委員長)で市が報告した。
同社は資本金1億6500万円で、出資比率は三機工業(東京)が82%、王子製紙と市が9%ずつ。4月1日現在、市営住宅18棟(376戸)、道営住宅3棟(57戸)、民間集合住宅13棟(237戸)の他、市有施設の日新小学校、日新温水プール、いとい北保育園、日新児童センター、町内会館集会場に熱供給を行っている。
市営住宅団地は現在、日新、末広、大成の3地区で事業者による熱供給が行われており、日新地区は1972年から同社が担ってきた。しかし、近年は燃料費の高騰で経営状況が悪化し、15年に資源エネルギー庁に料金改定を申請したが不受理。運転保守管理を受託していた糸井清掃センターも稼働を終え、経営難に拍車を掛けていた。
さらに市は14年から日新団地の建て替えを進め、新しい市住は個別暖房・給湯に切り替え。事業の進展に伴って同社はさらなる収入減になるため、市は熱供給を維持する名目で15年度から28年度まで、総額6億円の補償費を支払うことを確認し、熱供給事業の継続を図ってきた。市は20年度までに補償費約1億5100万円を出していた。
市都市建設部は「(同社は)28年度まで熱供給を続ける考えだったが、当初の想定よりも経営環境は悪化し、23年度終了をめどに進めたい」と説明。建て替え事業で取り壊す市住の住民は、23年度に移住を終える見通しが立ち、市の補償金は3億円の削減につながるという。同社は事業終了に伴って清算し、従業員は三機工業が雇用を検討する。
一方、市住や温水プールなど市有施設の個別暖房・給湯化で5億円掛かる見通しで、同社が早ければ今年度中にも事業を終了したい考えを示したことも明らかに。議員からは「市民の血税を使うのだから慎重に進めてほしい。同社は経営努力を何かしたのか」などと厳しい声も上がり、同部は「株主の立場で改善を提案したが実施されず市としても遺憾」と述べた。
















