全国一斉の自殺予防週間(9月10~16日)が苫小牧でも始まった。国内の自殺者数は近年緩やかな減少傾向にあるが、苫小牧市は数年置きに全国や全道平均を上回るなど年ごとに大きく変動している。厚生労働省の集計によると、市内の2020年1~7月の自殺者数(速報値)は16人で前年同期比1人減。一方で人口10万人当たりの自殺死亡率は9.31(同)で、全国の2.59や全道の3.51より高い。市は悩みを持つ人を支援するゲートキーパーの養成や、セルフメンタルチェックの活用呼び掛けなど自殺防止の取り組みを進めている。
同省自殺対策推進室がまとめた20年1~7月末の市内の自殺者数の内訳をみると、性別では男性9人(前年同期比3人減)、女性7人(同2人増)。年齢別では50代5人、30代3人、60代と70代が各2人などの順。過去10年の自殺死亡率の推移では、全国や全道の動きは緩やかに減少しているが、苫小牧市の場合は11年、15年、18年で自殺者が突出して多く、率も全国を上回っている。
市健康支援課は近年の傾向として「40~50代の働き世代の男性が圧倒的に多い」と指摘する。自殺の理由は個々のケースで異なるが、生活苦や多重債務など経済や生活上の問題をはじめ、仕事疲れや職場の人間関係などに悩みを抱えていたりする場合もあり、「さまざまな要因が連鎖する中で起きている」と話す。
市は現在、第2次健康増進計画の中で自殺死亡率削減に向け、16年の自殺死亡率20・14を21年までの5年間で17・2まで削減する目標を掲げる。国が自殺対策指針「自殺総合対策大綱」の中で示した、17~26年の10年間で自殺死亡率を30%以上引き下げるという目標に沿ったものだ。
市は同週間に合わせ、10日から本庁舎1階ロビーで「自殺予防普及啓発パネル展」を開催。14日午後1~3時にはタブレット端末を使ったストレスチェック「こころの体温計」の無料体験も行う。
会場には、市内の自殺者数推移の統計データなど8枚のパネルを設置。今年4月に策定した苫小牧市自殺対策行動計画の冊子や精神保健に関するパンフレットも配布している。
また、庁内における横断的な体制整備と住民参加の推進策として、悩みを持つ人を支援するゲートキーパーの市民向け養成講座を12月ごろに開催予定。市健康支援課の担当者は「自身のSOSに自分で気付くことも大切」とし、市のホームページでメンタルチェックができる「こころの体温計」(https://fishbowlindex.jp/tomakomai/)の利用も呼び掛ける。
現在は悩みを持つ人の相談窓口を庁内に設置することも検討中で、さまざまな取り組みを通じて自殺者ゼロを目指す考えだ。
問い合わせは市健康支援課 電話0144(32)6410。



















