白老町の飛生アートコミュニティー主催「飛生芸術祭2020」(7~13日)の一環で、11日から13日にかけて町内各所で、白老牛のルーツを追う映像作品の上映や、白老の”夜の街”を題材にしたインターネット生配信の音楽朗読劇など、さまざまなアートプログラムが繰り広げられた。
国内外で活躍する劇作家・演出家の羊屋白玉さんと美術家深澤孝史さんは11日から3日間、白老地区の森で「牛をめぐる冒険」と題したプログラムを実施。会場の「仙人の森」は、白老牛の生産に関わった元町職員堀尾博義さん(84)の所有地で、親子連れなど各地から多くの人たちが参加した。
森の小屋では、1954年に島根県から白老へ黒毛和牛が導入され、白老牛の生産が始まった歴史を探る映像作品を上映。堀尾さんの案内で仙人の森を散策するツアーも行い、参加者を楽しませた。
12日夜には、道内在住の劇作家渡辺たけしさんの音楽朗読劇「白老夜話」を動画投稿サイトのユーチューブで上演。白老の繁華街をテーマにした作品で、大町の「ナイトパブ・キャメル●【9184】1」を架空のスナックの舞台とした。
劇には、札幌を拠点に活動する俳優小林なるみさん、馬頭琴奏者の嵯峨治彦さんと孝子さん、ダンス集団・昭和レディ、町民らが出演。大手製紙工場の白老進出で、にぎわいを見せた繁華街のエピソードを語る朗読を交えて、大繁盛した昭和期のスナックを再現する演劇を展開した。嵯峨さんや昭和レディのステージもあり、一夜限りのオンラインスナックを多くの町民らが視聴しながら、にぎやかな時代を振り返った。
本町のしらおい創造空間・蔵では13日、「街の朝」と題したダンス公演が行われた。日本屈指のダンス集団「OrganWorks(オルガンワークス)」を主宰する平原慎太郎さんが竹浦小学校の児童、卒業生などへ聞き取りし「学校」をテーマに制作した作品を披露した。
飛生芸術祭関連イベントとしてこの他、大町の空き店舗(創作一心跡地)で、スプレーステンシル作品の展示会「シルキオプロジェクト・ホープ」が11日にスタート。札幌を拠点にするアーティスト森迫睦夫さん、大西洋さん、相川みつぐさんが、アイヌ文化や森の動物などをイメージした図柄をスプレーステンシルの技法で壁や床に直接描いた作品を紹介している。
12日にはワークショップも実施。参加した親子らは、さまざまなデザインの図柄を切り抜いたシートに塗装剤スプレーを吹き付け、布などに印刷するスプレーステンシルを体験した。作品展は22日まで開かれる。






















