苫小牧郷土文化研究会(斎野伊知郎会長)は13日、第34回市民公開講座を苫小牧市美術博物館で開いた。同会副会長の宮夫(みやぶ)靖夫さん(78)が、「人権を無視されたアイヌ民族」を演題に、強制移住や土地の収奪、遺骨の盗掘など、近代から現代にかけてアイヌが置かれた差別的な状況について語った。
宮夫さんは元新聞記者で、考古学やアイヌ民族の歴史と文化に関する研究に取り組んでいる。
講座ではまず、江戸後期から明治にかけて漁場で過酷な労働を強いられたアイヌ民族の境遇を伝え「探検家の松浦武四郎はアイヌが酷使されているのを知り、やめるよう開拓使に要請したが、状況は変わらなかった」などと説明。樺太アイヌが現在の江別市に強制的に移住させられたり、アイヌの土地が苫小牧市でも「無主地」として国有地化されたりした歴史を紹介した。
アイヌに土地を与えるとする旧土人保護法については「狩猟採集民族で農法を知らないアイヌを農民にする目的があった」とし、従来と異なる生活を強いられたアイヌの苦難をおもんぱかった。
アイヌをめぐる戦後の問題にも触れ、アイヌだからと道内での差別を逃れ首都圏に移り住んでも会社の寮に入れない、婚約が破談になった―などの差別があった事例を示した。大学の研究者らが研究を目的に墓から人骨を掘り出したことにも言及。今年白老町で開業した民族共生象徴空間(ウポポイ)について「後継者の育成ではなく、いかに客を集めるかが重視されている」と指摘していた。
















