苫小牧市澄川町在住で、筆文字作家として活躍する成田佑季(ゆき)さん(34)の作品が、人の心を温かくさせている。「あなたに出逢えて幸せ」―。弱視で左半身にまひが残る成田さんが、筆ペンなどでつづる柔らかな言葉とイラストに「元気が出る」「思わず涙が出た」と反響が相次ぐ。インターネットに加え、8月からは市内のカフェなどでも販売を開始し、「誰かの光になることができれば」と心を込めて描き続けている。
苫小牧市生まれの成田さんは、出生時の酸素欠乏で脳性まひとなり、左目の弱視や左手の指先に力が入らないなどの症状が残る。夫と小学生2人の家族4人で生活しながら、制作に励んでいる。
筆文字アートを始めたのは2018年。精神的に不安定な状態が続いたとき、インターネットで作品を見つけた。講座を受け、作品作りを進めるうちに快方に向かっていったといい、「ほっとできるものに出合うことができた」と語る。
心掛けているのは「疲れているときも、思わずニコッとしてしまうような作品」。主に筆ペンとパステル、色鉛筆を用い、はがきサイズの画仙紙に文字やイラストを描いてゆく。柔らかなタッチのイラストに「心をまあるく」「世界ってたくさんいろがあるんだね」などの優しい言葉が並ぶ。
テーマは家事をしているときに思い付いたり、スケッチブックに描いた絵からヒントを得たり、とさまざま。自身のSNS(インターネット交流サイト)で個人販売を行う他、依頼に沿って制作するサービス「筆文字ギフト」も受注しており、依頼主の名前にちなんだ詩なども手掛ける。作品を収める額縁も自身で着色し、飾り付けた際の雰囲気にもこだわっている。
昨年からハンドメード商品を扱う東京のショップで委託販売を行っていたが、苫小牧では初めて。市サンガーデン(末広町)内のカフェ「Samarkand」(サマルカンド)と元中野町の「ハンドメイド雑貨 レンタルスペースちいさなしあわせ」で購入できる。額縁入りで1800円程度。いずれは両店でも「筆文字ギフト」のサービスを始めたいといい、準備を進めている。
成田さんは「地元の人に見てもらうのが夢だった。喜んでもらえる人に作品を届けたい」と笑顔で語っている。
















