厚真町の上厚真小学校(井内宏磨校長)5年生は28日、一昨年9月の胆振東部地震による土砂崩れで崩壊した同町幌内地区の町有林に植栽を行った。学校で1年間育ててきた苗木を、緑が削り落とされた林地に植え、将来の森林再生に一役買った。
環境整備を進めるNPO法人きたネットが活動を支援し、胆振林業青年部が植栽箇所にシカの侵入防止柵を設置するなど協力した。同校では昨年、森づくり学習の一環でミズナラやヤマグワなどの種をまき、苗木を育てていた。
植栽に参加したのは5年生13人。専門スタッフの指導を受けながら、露出した山肌の斜面にミズナラ、ヤマグワに加えアオダモやホオノキなど、さまざまな種類の苗木30株ほどを一つ一つ丁寧に植えていった。三原脩詩君(11)は「小さな苗が大きな木になるのが楽しみ。崩れた山が元の自然に戻ってほしい」と期待を込めた。
町では今後、生育状況を観察しながら、来年度以降も同様の活動ができるかを検討していく。町産業経済課林業水産グループの宮久史主幹は「震災によって崩れた場所でアクションを起こす経験はこれまでもないと思う。子どもたちが活動を通じて地震のことや森のこと、厚真のことをより知るきっかけになれば」と話していた。

















