記者コラム風 地元紙の使命

記者コラム風 地元紙の使命

 「苫民さんだから取材をお受けしました」と言って応じてくれたのは、苫小牧市植苗の介護老人保健施設の副施設長。

 今年2月、新型コロナウイルスの世界的流行が国内にも及び、市内も目に見えない不安と焦燥の中にあった。新型肺炎の政府基本方針を受けた高齢者施設の対応について取材を進めたが、多くの施設に断られていた。高齢者を多数抱える施設での感染防止対策と職員の奮闘を読者に伝えたい―という依頼に対し、現場を訪れた記者に向けたのが冒頭の言葉だった。副施設長は言う。

 「送迎担当の職員にも、利用者に感染させてしまわないか不安が広がっている。職員がなかなか接触できない分、正しい情報を高齢者に届けてほしい。苫民にしかできないと信じている」

 感染を恐れ外出を自粛する高齢者に、自宅での運動や脳トレを呼び掛けざるを得ない状況だからこそ、家に届く新聞の情報が頼りだという。

 苫小牧市や周辺の地域に共に暮らし、共に泣き笑いできる地元の新聞だからこそ伝えられることがある―と改めて教えていただいた瞬間だ。苫小牧の名を冠した紙には市民の思いを記録し、安心につなげる使命もまたあると痛感した。(半)

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