「星屑の町」苫小牧で上映、水谷さんが本紙寄稿

「星屑の町」苫小牧で上映、水谷さんが本紙寄稿

 苫小牧市出身の脚本家、水谷龍二さんが上映作品「星屑の町」についてつづった寄稿文を紹介する。

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 王子製紙苫小牧工場の大きな煙突からモクモクと出ている煙は今も昔も変わりませんが、苫小牧でガラッと変わったところといえば駅前でしょうか。すぐ近くに朝市があり、商店街には映画館が2軒、書店が2軒、おまけにデパートまでありました。まさしく映画「三丁目の夕日」の世界です。

 僕はそこで生まれ育ち、苫小牧工業高等専門学校を卒業したのが1972(昭和47)年です。同級生たちはこぞって大企業に就職しました。実は僕も某自動車メーカーに就職したのですが、5カ月で退社、母校に対してはいまだに自責の念があります。しかし、ありがたいことに僕の芝居を苫小牧で上演する際、骨を折ってくれたのが中学の同級生と高専の先輩後輩たちでした。

 最初は1998年の夏です。北海道にしては珍しい猛暑で、苫小牧市文化会館ホールの楽屋に大きな氷が運ばれてきたのを覚えています。その時の芝居が今回上映される「星屑(くず)の町」の原作となった「星屑の町~山田修とハローナイツ物語~」です。

 初演から実に25年の歳月が流れましたが、昨年同じメンバーで撮影され、今年3月、全国ロードショーにこぎつけました。ヒロインを演じた、のんさんが文字通り花を添えてくれました。ただ、残念なことに新型コロナの感染拡大と重なり、上映は途中で打ち切りに…。あれから半年、多くの業種がコロナ被害を被りましたが、ようやく、芝居も映画も復活の兆しが見えてきました。そしていよいよ苫小牧で「星屑の町」が上映されます。うれしい限りです。

 ヒット曲もなく地方を営業で回っているムード歌謡グループのメンバーたちが肩を寄せ合い、時にけんかしながら、でもすぐ酒を酌み交わす、何とも憎めない駄目な男たち。若々しいオジサンだったメンバーもみんな60代。でもやってることは相変わらずのばか騒ぎ。真面目にふざけています。最後まで楽しんでいただけたら幸いです。

水谷 龍二

 水谷龍二(みずたに・りゅうじ) 1952年、苫小牧市生まれ。苫小牧若草小、苫小牧東中、苫小牧工業高等専門学校卒。放送作家としてデビュー後、多くのバラエティー、ドラマ番組を手掛ける。94年にラサール石井らと星屑の会を結成し、全国で公演を重ねる。2004年に第13回日本演劇協会賞受賞。

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