むかわ町穂別地区を対象にした総合防災訓練が4日、穂別小学校などを避難所にして行われた。台風上陸による大雨・洪水が地域を襲ったことを想定し、住民がそれぞれ町民センターや学校などに避難し、感染症対策を踏まえた避難所設営について学んだほか、消防が救出訓練を繰り広げた。
町職員、地域住民、消防機関など総勢約280人が参加した。午前9時20分、台風の上陸に伴い、町に大雨・洪水警報、土砂災害警戒情報、町長より「避難指示」が発表されたと想定。町役場穂別支所の災害対策本部が各自治会に町民センター、穂別小学校、穂別中央生活館などの避難所に逃げるよう要請した。
町民センター、穂別小学校では入り口で新型コロナ感染症対策として、検温や手指消毒を徹底して呼び掛けた。また仕切りを高くした段ボールベッドの作り方などを学んだ。
ニサナイ自治会の鈴木義隆会長(60)は「スムーズに避難できた。役場の方の指示も的確で動きが取りやすかった」と振り返り、「実際に災害が起きた時にこれだけ素早くできれば。段ボールベッドは寒さもしのいでくれる。十分に過ごせると思う」と話した。
また、町民が消火作業を体験。胆振東部消防組合の特急隊による事故車両から被災者を助け出す救出訓練では、指揮隊を含む12人が連携し、特殊な機材を使って車両のドアやフロントガラス、屋根を取り壊して車内から人形を外に出すなど本番さながらの内容となり、会場からは「うわー」「すごい」といった驚きの声が相次いだ。
竹中喜之町長は「感染症対策を切れ目なく支援し続けるとともに胆振東部地震からの創造的な復興の具現化を進めていく。今できることを実践していただき、日常から備えの意識を高めてもらいたい」と講評した。




















