東大保管のアイヌ民族遺骨 全国で初の返還 新ひだか

東大保管のアイヌ民族遺骨 全国で初の返還 新ひだか
葛野祭司(左)により遺骨を迎えるカムイノミ

 東京大学が保管するアイヌ民族の遺骨のうち、新ひだか町三石地区(旧三石町)から持ち出された1体が4日、三石アイヌ協会に返還された。東大が保管する遺骨の返還は全国で初めて。遺骨は同協会によるカムイノミ(神への祈りの儀式)の後、豊岡墓地にある無縁納骨堂に納められた。

 東大にあったのは、1888(明治21)年に学術研究の一環で入手したという頭骨。当時の教授がアイヌの計測観察などを目的に来道し、持ち帰ったとみられている。当初、医学部解剖学講座で保管していたが、1966(昭和41)年に設置された総合研究博物館に管理移管された。出土地は「日高国三石」しか分かっていない。

 遺骨のカムイノミは三石アイヌ協会(幌村司会長)が主催し、町内三石西蓬莱のチセ(アイヌの家屋)で行われた。東大本部の山本哲也総務課長ら3人も参列し、幌村会長に遺骨が返還された後、静内アイヌ協会の葛野次雄会長を祭司に儀式を挙行。自然への感謝と清らかな心で先祖供養をしたことを神に報告した。

 儀式の後、東大の山本課長は「今後も尊厳ある慰霊の実現に向け力を尽くしていく」とあいさつ。幌村会長は「先祖の遺骨を持ち去られた遺族の悲しみは察するに余りある。三石に帰ってこそ安らかに眠ることができると信じ、無事に迎えられたことは三石アイヌ協会にとって意義深いもの」と述べた。

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