白老町のアイヌ文化発信拠点・民族共生象徴空間(ウポポイ)を管理運営するアイヌ民族文化財団(本部・札幌市)は今月から、伝統芸能を上演する体験交流ホールの収容人数を従来の2倍に拡大した。新型コロナウイルス対策でこれまで上演1回当たりの収容人数を132人に制限していたが、これを緩和して272人に増やした。
定員の拡大は、国によるイベント等の開催制限の緩和を踏まえた措置。歌や踊りなど伝統芸能の上演と、アイヌの物語の短編映像を上映する同ホールの基本座席数は433席だが、財団は新型コロナウイルス感染防止策でこれまで132席に制限。上演1回当たりの収容人数を少なくする対策を取ってきたが、今月から272席に増やして受け入れを始めた。
これに伴い、1日最大で平日2200人、土日祝日2700人が収容できるようになったという。
ウポポイでは今月から、国立アイヌ民族博物館の1時間当たり入館人数の制限も見直し、従来の110人から200人へ引き上げた。
また、財団はウポポイ開業以降、コロナ対策で見合わせてきた体験プログラムの一部を10月の週末臨時特別プログラムとして実施。今月の土日にムックリ(口琴)の演奏体験と製作体験を開催する。会場は体験学習館で、詳しくはウポポイのホームページで紹介している。
感染対策で財団はウポポイ入場予約数や各施設の収容人数を制限し、触れるなどの体験プログラムの実施も見送ってきたが、国の措置など情勢を踏まえて今月に入り、一部緩和へ動き始めた。財団は「より多くの方々に来場していただき、展示やプログラムを楽しんでもらえるよう対策に努めたい」としている。

















