苫小牧市のぞみ町の建設会社藤澤工業(藤澤洋社長)は、特殊発泡スチロール製の可搬式サウナを「防災シェルター」として活用するための実証試験に取り組んでいる。市の2024年度イノベーション活性化事業の採択事業で、各種データ収集や利用者アンケートなどを重ね、来年3月までに防災シェルターとしての有効性を見極めたい考えだ。
サウナは、ガウ・イノベーション(岐阜県)が開発した特殊発泡素材の横長の筒型タイプ(幅、高さ各190センチ、奥行き300センチ)。実証試験は季節ごとにサウナ内の気温や湿度の変化を計測し、外気の影響も調べるという。実際にキャンプ場などに設備を持ち込み、中での生活を体験する機会も設ける。
藤澤社長(44)は「サウナなので断熱性に優れており、冬季に災害が起きた際の避難スペースとして利用できるかを探りたい」と話す。
実証試験の一環で10月25日、市内西部の錦西町内会の防災訓練に合わせ、市民向けの体験会を企画。訓練会場の北洋大学駐車場に同サウナを設置し、暖を取らないまま中で5分弱過ごしてもらい、10人余りに感想を聞いた。
このうち、80歳の男性は「素材が発泡スチロールとは思えないほど頑丈」と驚きを隠せない様子。75歳の女性は「プライバシーも確保できそうで、避難所にあるとよいと思う。音も気にせず、ゆっくり眠れるはず」と述べた。
同社によると、体験者全員が湿度や温度も「快適」と回答し、検証の時間帯が昼間だったこともあり、照明も「明るい」との評価だったという。
体験会に協力した同町内会の藤間聰夫副会長(83)は「(訓練には)平日にもかかわらず、昨年の約2倍の約50人が集まった。防災への住民の関心の高さを感じる」と述べた。
日本海溝・千島海溝地震の被害想定で、道は冬に発生した場合、苫小牧市の死者が最大4万人に上ると推定しており、藤澤社長は「寒さ対策をしない場合に被害が大きくなる想定。防災シェルターを被害の抑制に生かしたい」としている。
















