苫小牧市汐見町の水産卸売業、マルトマ苫小牧卸売(西田浩一社長)は、インターネット交流サイト(SNS)を活用した情報発信の新システムを構築する。魚価やブランド力の向上を目指し、競り前に水揚げ状況などを紹介する内容で、その名も「漁船なう」システム。来年度のスタートを目指しており、先行してフェイスブック(FB)でのPRを強化している。
「漁船なう」は漁の様子や水揚げした魚などの写真を撮り、SNSで発信する取り組み。その日の漁獲をその日の競りまでに伝える。魚介類は従来、市場に並ばないと種類や数は分からなかったが、飲食店や一般消費者は競り前にSNSで確認できるようになる。
漁業者の顔写真やPR文の掲載も想定。「生産者の顔が見える魚」の実現を目指す。魚を船上で血抜きする「活じめ」を施したり、競りまで魚を水槽で泳がしたりと、新鮮さを保つこだわりなども発信する予定。買受人への具体的な注文につなげることで、魚価も向上する仕掛けだ。
同社総務部の池田政幸課長は「苫小牧でおいしい魚がたくさん取れていることを知らない人が多い。漁業者に協力してもらいながら、漁船の特徴や品質へのこだわりも、広く知ってもらうことができたら」と強調。来年度からFBとツイッターでシステムの運用を始める計画で、早ければ年明けにも同社ホームページを刷新する。
先行して6月からFBページを開設。改正卸売市場法施行を踏まえ、魚介類の取引価格をその都度公開する中で、秋サケ定置網漁などの様子も、写真や動画で撮影して流すようにしている。最近では幻のサケと呼ばれる「鮭児(けいじ)」、大きなシュモクザメなどをアップして精力的に水揚げ概況を発信しており、「苫小牧産魚介類のブランドを作りたい」と意気込む。
これら取り組みは国の「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」を受けて今年度、IT企業のI・TECソリューションズ(表町)と連携して進めている。併せて市場の働き方改革の一環で、競りにIT技術を活用する「市場なう」システムも構築中。いずれも新型コロナウイルス対策を兼ねており、「今」をキーワードにした市場の取り組みは注目を高めそうだ。
















