苫小牧市高砂町の浄土真宗本願寺派正光寺(吉井直道住職)は、開創100年を記念し、宝物庫内の収蔵物を調査している。仏教に関する書や画をはじめ、戦前戦後の苫小牧における地域活動や文化活動に関する資料があり、有効活用に向けて市美術博物館に協力を依頼し、価値などの確認作業を進めている。
同寺は1920(大正9)年10月、苫小牧町(現在の錦町)に創建された「念仏道場」が始まり。25年に「正光寺」の寺号公称し、28年に現在地に新築移転した。
宝物庫には寺院が所有する仏教関係の美術品や書、初代住職の故・一行さんが取り組んだ地域活動に関わる資料などが保管されている。ただ、すべてを正確に把握していないため、開創100年の節目に調査を計画した。
手始めに10月29日、市美術博物館で美術や歴史などを専門とする学芸員4人の協力を得て、300点以上の収蔵物全てを本堂に並べ、1点ずつ調べた。
仏画や仏教に関する書の掛け軸や額装作品、地元の書家、故毛利寿海さんの書作品などのほか、吉井住職の高祖父に当たる故順道さんが手掛けた仏画や人体図を確認した。
民生委員をはじめ、地域活動にも熱心に取り組んだ故一行さんが残した資料も多数発見。戦前に苫小牧で催された文化イベントのパンフレット、武器生産などに充てるため戦中に実行された金属類の供出命令の書類があった。シベリヤ樺太方面在留同胞引揚復員促進委員会の委員長として、日本兵の早期の引き揚げを連合国軍最高司令官宛に求めた文書も見つかった。
市美術博物館の武田正哉館長は「今回発見された苫小牧の歴史資料は、今後進められる新しい苫小牧市史の編さんで活用させてもらう可能性もある」と語った。吉井住職は「調べながら、収蔵品の展示や有効活用法を検討したい」と語り、今後も同館の協力を得て詳細な調査を進める考えだ。
















