地域の力で家庭支える、子どもの居場所づくりを

地域の力で家庭支える、子どもの居場所づくりを
子ども食堂で軽食を配るNPO「木と風の香り」の活動

 子どもの居場所づくりを考える連続講座が17日から、苫小牧市住吉コミュニティセンターで始まる。一方、すでに子ども食堂で居場所や食事を提供してきた市内のNPOは、問題を抱える子育て世帯の増加を実感し、子どもの見守りに加え保護者も支援する仕組みづくりを模索している。コロナ禍でさらに孤立しがちな家庭を、地域ぐるみで支える活動が求められている。

住吉コミセンで初の講座
 住吉コミセンの「まちづくりサポーター養成講座」は17日から12月8日までの毎週火曜日、全4回を予定。公共施設の生涯学習講座は手工芸や健康、音楽、料理などが主で、同センターも子どもの居場所づくりをテーマに開催するのは初めて。子どもに食事や遊びの場を提供する活動を進める団体や、子育て相談に関わる人などから現代の子どもを取り巻く環境や現状を聞き、考えを深めてもらう。

 同センターの堀川紅美館長はこれまで、「叱られたから家にいたくない」と朝早くにやって来る子どもや、就学前の幼児だけで公園で遊んでいるといったケースに遭遇。死をほのめかすような七夕の短冊も目にしたことがあるという。

 堀川館長は「さまざまな事情から、つらい思いを抱えている子どもが地域内に潜在していることを改めて知った」と話す。一方、「公共施設だけで市内全域をカバーすることは難しい」と痛感し、地域ぐるみで温かく見守る居場所をつくるため講座を企画したという。

 講座は17日、24日、12月1日、8日の午前10時~正午。受講無料で教材費は200円。申し込み、問い合わせは同センター 電話0144(35)1080。

親にも必要な支援を
 NPO法人木と風の香り(辻川恵美代表)の構想は、子ども食堂の活動の中で様子が気になる子どもがいた場合、同法人のスタッフが子どもや保護者と顔を合わせる機会をつくり、家庭内の問題点を一緒に整理しながら、必要な支援につなげる役割を担う。対応に当たるスタッフは、社会福祉士や精神保健福祉士などの専門職も想定している。

 同NPOは2017年6月、市内音羽町に子ども食堂を開設。毎月1回、日曜日に昼食を振る舞い、毎週水曜日の放課後にも軽食を提供してきた。新型コロナウイルスの影響で今年2月下旬~5月は、臨時休校で訪れる子どもに菓子やおにぎりを配る活動を続けた。

 この中で「早朝から子どもだけで出歩く」「発達面の課題から子ども同士のトラブルが頻発する」などの事態に直面し、育児に悩む親が地域内に潜在していることに気が付いたという。さらに、近くに相談できる人がいないため、適切な支援につながっていない家庭も多いことも認識。辻川代表は「虐待など深刻化する前に、事態が改善に向かうような手伝いができれば」と話す。

 国も、子どもの見守り活動強化に乗り出しており、孤立しがちな家庭を民間団体のスタッフが訪問し、食事の提供や学習・生活指導支援などを行う市町村の事業に対し、費用を補助する。辻川代表はこの補助制度の活用を市に要望するとともに、「コロナ禍で課題がより明るみに出た。子ども食堂を含め民間の力をより積極的、具体的に活用すべきときに来ている」と話している。

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