苫小牧駒沢大学の高澤秀次特任教授(68)の講演会が7日、苫小牧市立中央図書館で開かれた。日本を代表する保守派の評論家で、2018年1月に多摩川の河川敷で自死した故・西部邁(すすむ)氏の思想や評論家としての歩み、人となりなどを語った。
同館と同大学の共催。高澤教授による市民向けの講演会は初の試みで、25人が来場した。
高澤教授は日本近代文学や日本近代思想史研究が専門。西部邁ゆかりの言論誌「発言者」や「表現者」の編集委員を務めるなどし、今年1月には「評伝 西部邁」(毎日新聞出版)を発行。講演会では生前の西部とのエピソードも交えながら人物評を述べた。
高澤教授は、西部はテレビ出演を機に保守派の論客としてマスコミの寵児(ちょうじ)となった一方、対米従属からの脱却や経済成長の中で増長する日本人を批判する保守思想を真に理解してくれる人がいなかったため、「孤立無援の人だった」と説明。さらに、長年にわたって自死思想を公言し続けた末、妻の死や自身の病気によって決行に至ったことを述べた。
高澤教授は「西部の自死思想は受け入れ難い側面がある」と持論を展開。生前の西部がしたためた「人間は単に生きるのではなく『善く生きること』に関心を持つ動物である」という文を紹介し、「この頃の西部はまだ、善く生きることにエネルギーを費やしていたのだが」と回顧した。
会場では、同大学から同館へ高澤特任教授の著書2冊の寄贈があり、有澤恒夫学長が岩城昌幸館長に手渡した。
















