「歴史の道百選」に選定されている国指定史跡の「猿留山道」を歩く会がこのほど、えりも町教育委員会が主催して行われた。小学生を含む町民ら23人が参加。6キロの古道を歩きながら、江戸時代の通行の難儀さに思いをはせ、過ぎ行く晩秋の山野を楽しんだ。
猿留山道は、今から200年以上前の1799(寛政11)年に、日高から根室方面に通じる道内初の官製道路として、様似山道とともに開削された。全国を測量した伊能忠敬や「北海道」の名付け親と言われる松浦武四郎も踏査した。
1935年に当時の幌泉村~十勝管内広尾町の国道が開通してからは忘れられた存在だったが、えりも町郷土資料館が支援団体・N42度の会などボランティアの協力を得て、2002年から3カ年計画の山道復元事業で残存していた山道を復元。その後も保存活動を継続している。
当日は町内庶野~目黒の広域林道中間の342地点から山道に入り、樹木の紅葉がほぼ散った沼見峠からは、ハートレイクで知名度が高い豊似湖を眼下に眺望。湖畔沿いに山間部を経由して猿留山道大橋まで約6キロを踏破した。
参加者は「晴天の日和に恵まれ、紅葉が少し残る山道で往時をしのびながら歩いた。歩行能力も鍛えられた」と話していた。

















